淡々と日々を生きているルーエルが少しずつ変わっていくお話。
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原因不明の患者十三人。共通点は、北の山だった。
治癒術が当たり前に存在する世界。
上級治癒師ルーエル・エルヴェは、北部で相次ぐ奇妙な症例を調べるため派遣される。
そこで待っていたのは、足が動かない、手が痺れる、原因不明の熱を出す――それまでの治癒術では説明できない患者たちだった。
共通していたのは、北の山。
異常に薬効を増した薬草。
身体に残る異質な魔力。
二十七年前にも起きていた植物の異常繁茂。
そして、国境近くに封鎖された古い坑道。
ルーエルは、医師、薬師、若い治癒師、魔力を解析する魔術師、そして管理官とともに、一つずつ症例を調べ始める。
治せないなら、流れを変える。
分からないなら、測る。
一人に分からないなら、分かる人に聞けばいい。
そうして彼らが見つけた小さな答えは、やがて国境の向こうへ続く大きな異変へと繋がっていく。
――けれど、人を治すことには慣れているルーエルには、一つだけ不得意なことがあった。
自分自身を、大切にすること。
北で出会った人々。
中央で待つ人々。
そして、やがて彼の弟子となる一人の青年。
これは、治癒術のある世界で不可解な症例を追いながら、誰かを治すこと、誰かに託すこと、そして誰かから受け取ることを知っていく人々の物語。
医療×魔法×ミステリー。
人から人へ灯火をつないでいく、長編ファンタジー。
※治癒・医療を題材にしたファンタジーですが、現実の医療とは異なる架空の設定です。