ルマーン帝国ハーヴァー地方の小さな村に一人の少女がいた。
彼女の名はラミナ、小さな村で祖母と両親と4人で平和な生活を送っていた。
そんなある日のこと、狩りに行った父が倒れ、仲間の狩人に担がれて帰宅。
祖母の必死な看病もむなしく数時間後には亡くなり、同日母親も謎の病で息を引き取った。
両親が立て続けに亡くなった事で絶望で埋め尽くされているなか、
『ラミナ元気出しぃ、ウチが側におるから! と言うても聞こえてへんか……』
活発そうな女の子の声が頭の中に響いた。
祖母にそのことを話すと、代々側に居る精霊様ではないかという
そして、週末にあるスキル継承の儀で『精霊使い』を授かるかもしれないねと言われ、
絶望の中に居る少女に小さな明かりが灯った気がした。
そして、週末、スキル継承の儀で念願の『精霊使い』を授かり、少女の物語はここから始まった。
少女は村の外へ、そして世界へ――小さな決意が、やがて大きな軌跡を描いてゆく。
各地に散る精霊達と契約しながら
外科医療が存在しないこの世界で、ラミナは精霊の力と知識を借り、病に苦しむ友人の肺から“魔素で硬化”した患部を取り除く。
学園の七不思議を追う“探偵のまねごとをしている精霊”、四百年ぶりに姿を現す大精霊たち、思わぬ事件に巻き込まれる夏休み、そして収穫祭と学園祭――。
ラミナは仲間たちと共に数々の経験を重ねていく。
やがて彼女は、先祖が辿った道をなぞるように、世界へと旅立つ。
自由な発想としなやかな心で、精霊達と共に、多くの命を救っていくラミナは、いつしか「神様」と呼ばれるようになっていく――
これは、一人の少女が精霊たちと共に歩み、世界に希望を灯す物語。