四十二歳の現場作業員・九城海斗は、車に轢かれそうになった少女を助け、その生涯を終えた。
次に目を覚ました彼を待っていたのは、転生神を名乗る老人だった。
神の不手際に巻き込まれた海斗は、若返った肉体と『鑑定眼』『次元収納』、そしてあらゆる技能への高い適応力をもたらす『超越体』を与えられ、剣と魔法の異世界へ転生する。
しかし、降り立った場所は人の姿すらない危険な禁域。
海斗は湖畔の廃村を拠点に定め、食料を集め、魔物と戦いながら、少しずつ生活環境を整えていく。
そんな彼が最初に出会ったのは、人を恐れ、廃教会に隠れて暮らしていた一匹の白い妖精猫だった。
空腹なら食事を与える。
傷付いていれば手を差し伸べる。
けれど、無理に心を開かせようとはしない。
そうして海斗のもとには、帰る場所を失った者、傷を抱えた者、人間社会から追われた亜人たちが少しずつ集まっていく。
これは、英雄になるつもりのなかった男が、行き場を失った者たちと家族になり、誰もが安心して笑って暮らせる理想郷を築いていく物語。