食品廃棄物の研究者として働いていた蓮見アオイは、仕事中の爆発事故で死ぬはずが、異世界へと転移する。
神様から与えられたチート能力は「腐敗魔法」。異世界では忌み魔法とされ、誰もが恐れる力だ。しかしアオイの反応は違った。
「腐敗と発酵は紙一重なんです。むしろ得意分野なので」
人混みが苦手で自由に生きたいアオイは、土がいいという理由だけで辺境の小さな街グラウンを選ぶ。古い建物を改装して「還り家」という工房を開き、腐敗魔法を使った薬と発酵食品を作り始めた。
最初は怖がっていた街の人々も、実際に見るうちに少しずつ変わっていく。気づけば還り家はグラウンにとってなくてはならない存在になっていた。