魔族と人間が暮らす世界。魔族は規律正しく真面目に、人間は厳しい身分制度の中で過ごしている。
主人公は天界の神の娘『ペルセポネ』として産まれたが、天界で殺害され魂だけが異世界の日本に逃がされた。長い年月をかけ群馬県の秘境の地に辿り着いた魂は、父親である『ゼウス』が『田中のおじいちゃん』として暮らしながら守っていた。『ゼウス』はペルセポネの新たな身体を作り出す為に、集落の人間達を魂の無い天使と結婚させ子を何代にも渡り産ませ続け、ついに娘の魂に耐えられる身体の『月海(るみ)』を作り出す事に成功した。『ゼウス』は『月海』に魂を入れ込んだが過去の記憶は思い出される事も無く普通の人間として暮らしていた。
高校二年生の夏『現在の神』の『過去の恋人』で群馬に追放されていた『イナンナ』の子孫である祖母が天界の大天使に魔素の毒で命を奪われ、共にいた『月海』も魔素に侵されてしまう。ちょうどその頃、魔族と人間の世界に『聖女』が産まれた事を知った『ゼウス』は『月海』を溺死させ、産まれたばかりの『聖女』に『ペルセポネ』の魂を入れ込んだ。こうして『聖女』の身体に憑依させられた『月海』はこの世界で『ルゥ』として、なぜか魔族の中で育つ事になる。十四歳になった『ルゥ』は、群馬で行方不明になっていた父親がこの世界で『魔王』として亡くなった事を知らされる。魔族は『魔王』の娘である『ルゥ』を大切に育て愛してくれた。中でも『最恐の魔族』と呼ばれる『じいじ』は『ルゥ』を溺愛していたが、実は遥か昔冥界で『ペルセポネ』の夫として過ごした『冥王ハデス』だった。
色々あり、お互いの気持ちを確かめ合った二人は幸せに暮らしていたが、消滅したはずの『ペルセポネ』の身体が隠されていたと知る。そしてついに『ペルセポネ』の魂が本来の身体に戻る時が来た。
ここまで『異世界で、人魚姫とか魔王の娘とか呼ばれていますが、わたしは魔族の家族が大好きなのでこれからも家族とプリンを食べて暮らします。~ルゥと幸せの島~』のあらすじ。
本来の身体に戻った『ペルセポネ』は穏やかに過ごすはずだったが『ルゥ』の兄が問題に巻き込まれていると知り助ける為に人間のアカデミーに通う事になる。でも十五年間魔族の中にいた為、普通の人間とはかけ離れた行動をして周囲を驚かせる日々を過ごす事になる。『ペルセポネ』は無事に人間の揉め事を解決する事ができるのか?