小作人は開拓村で虐げられる存在。
それは父親が死んで、母親が小作人にさせられてしまった家庭の幼子――カリも当てはまる。
村の子たちに馬鹿にされ、大人たちからは邪魔者扱いされる生活。
カリが扱いに耐えられず幼い反発心を発揮すれば、さらに村人たちからの扱いは悪くなり、母親からも扱いを受け入れろと言われてしまう。
そんな扱いのまま十歳を迎えた頃、母親との言い争いで「死んでくれ」と言われ、カリは反発心から死んでやろうと決意する。
多くの魔力を意識して取り込むことで、体内で魔力を溜める場所――魔央を破裂させて死んでやろうと試みる。
その結果、なぜか魔法使いに成ってしまった。
魔法使いとは、なんでも魔法で生み出せる超常の存在。それに成ったカリは望んで実行すれば、どんなことでもやれてしまう。
果たしてカリは、その魔法使いの力で何を行うのか。