菅原道真が失墜した陰謀・「昌泰の変(しょうたいのへん)」の首謀者とされた左大臣・藤原時平は若い頃、ある赤子を誘拐するよう命じられた。
赤子は成長し、ある力を持つ少女となった。
やがて少女は権力をめぐる陰謀に巻き込まれ、時平の運命を翻弄する。
少女をめぐる争いが歴史事件と絡み合う。
(以下のあらすじは2025/4/25~掲載「伊予の物語『絢爛の紅粉青蛾(けんらんのこうふんせいが)』」についてです。)
『兄さま』こと左大臣・藤原時平様は宇多上皇に隠し育てられた姫、つまり私・浄見(きよみ)に夢中・・・のはずなのに、妻二人からの、宮中内外の恋人まで、次から次へと恋敵が湧いてくる!
『浄見を忘れるために色々な女性と関係を持った』というけれど、相手に本気恋(ガチこい)勢が多すぎるのも気にくわない!
私・浄見は女房・伊予(いよ)として宮中に身を隠しながら、襲来する様々な試練に立ち向かう!
友人の口車に乗って『時平様と別れる!』と心にもない嘘をついたばっかりに、『伊予を妻にしない』と言われ、逢瀬が途絶えて、もう一週間っ!!!
恋敵であり、私を憎んでた高貴な麗人からの、謝罪と『親しくなりたい!』とのお願いの文に、ついつい同情して気を許してしまった。
時平様の真意も見抜けないまま、やけに親密に接してくる元敵と、理解不能な時平様の行動に、私は今日も翻弄される!!!