聖女 マリー・スビルーは、モン・ルミエール王国の象徴として祈りを捧げ続けてきた。しかし王国の上層部は彼女を政治の道具として扱い、戦況が悪化する中でも祈祷所に閉じ込め、飢えと孤独に晒した。
ある日、敗走する戦場で敵国ヴェルナーラ皇国の騎士たちに命を救われたマリーは、異教の風神の加護を受けてしまう。それは王国にとって裏切りと見なされ、彼女は聖女の称号を剥奪され、追放される。
信じていた神に見放され、祖国に捨てられたマリーは、風の導きに従い敵国を巡る旅に出る。祈りの意味、神々の真意、人々の苦しみに触れながら、彼女は“聖女”ではなく一人の人間として歩き始める。
初投稿です。拙い文章ですが、よろしくお願いします。