学校では、誰も俺を助けてくれなかった。
太った身体を笑われ、殴られ、蹴られ、教師に助けを求めても返ってくるのは「お前にも原因があるんじゃないか」という言葉だけ。
黒瀬怜司、十五歳。
彼にとって学校は地獄だった。
唯一の救いは、自分を愛してくれる両親と、兄を慕う妹の存在。
そんなある日、いつものようにいじめを受けた帰り道、怜司は古びた神社で怪我をした一匹の黒猫を見つける。
自分自身も傷だらけだったが、見捨てることができず、家から救急箱を持って戻ってきた怜司。
その小さな優しさが、彼の運命を大きく変えることになる。
『汝に、世界を渡る資格を与えよう』
謎の声に導かれた先は、剣と魔法、そして魔物が存在する異世界だった。
そこで偶然スライムを倒した怜司は、信じられない現象を目の当たりにする。
《レベルアップ》
身体に力が満ち、傷が癒え、肉体そのものが変化していく。
しかも、その力は現実世界でも失われなかった。
異世界の住人とは比較にならない成長能力。
神々すら超える可能性を秘めた少年は、やがて決意する。
「俺を踏みにじった連中には、必ず報いを受けさせる」
これは、誰にも助けてもらえなかった少年が、二つの世界で絶対的な力を手に入れ、復讐の果てに自らの人生を取り戻していく物語。
そして、彼の優しさを知る者たちとの出会いが、やがて復讐だけだった少年の世界を変えていく――。