前世は過労死寸前の地方公務員。
転生先は異世界の宰相府で書類と格闘する地味な事務官令嬢。
婚約者の第二王子に「お前はもう不要だ」と婚約破棄され、辺境の荒れ地に追放されたエリーゼ。
けれど彼女には、前世で培った最強の武器があった。
——行政事務のスキルである。
税制改革、灌漑計画、通商協定。
荒れ地を大陸有数の交易拠点に変えるエリーゼの前に現れたのは、隣国の冷徹将軍ヴォルフガング。
彼は内政事務が壊滅的にできない男だった。
「この帳簿を……見てくれないか」(3年分の未決裁書類の山を前に)
「防寒対策として、このコートの着用を命じる」(ただのプレゼント)
「決裁書類の受け渡しのため、隣の部屋に移れ」(ただ近くにいたい)
将軍閣下、好意を全部業務命令にするのはやめてください。
あと、婚姻届を決裁書類に紛れ込ませないでください。
※領地経営あり、ざまぁあり、甘さは砂糖の致死量です。