彼女の名は、静木コノハ。17歳。
彼女の願いは、ただ一つ。「世界中の、まだ誰も食べたことのない、最高の食材を見つけ、それを最高の料理にして、皆にお腹いっぱい食べてもらうこと」。
伝説の勇者と聖女の血を色濃く受け継ぎ、死者以外なら治せる『治癒』と、絶対的な防御力を誇る『バリア』という、二つの奇跡の力をその身に宿しながらも、彼女はその力を隠していた。
目立つのは、嫌。英雄になんてなりたくない。ただ、静かに料理の道を極めたいだけ。
そう、彼女は『能ある鷹は爪を隠そうとしていた』。だが、そのあまりにも規格外な才能と、優しすぎるお人好しな性格は、彼女を否応なく世界の中心へと押し上げていく。
物語は、全ての冒険者が集う中立都市アークランドから始まる。
コノハは、そこで、運命的な出会いを果たす。
一人は、レオン・クライン。聖アウレア帝国に、父を殺され、国を追われた気高き聖騎士。
もう一人は、ガルム。強さだけを求め、故郷を飛び出してきた、鋼鉄のウルク連邦の最強の脳筋戦士。
全く違う、過去と目的を持つ、三人の若者たち。
だが、彼らはコノハが作る、一杯の温かいスープによって、その心を一つにし、パーティ『至高の一皿』を結成する。
これは、最強の料理人が美味しい食材を求めて世界を巡る、コミカルな冒険物語です。
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