「末長く幸せに暮らしました」――その一言で、物語が終わるはずだった。
15世紀欧州から、16世紀日本へ。
100年の時と1万キロの海を越える、血脈と因縁の叙事詩。
王子と結ばれたシンデレラを待っていたのは、煌びやかな宮廷ではなく、宗教対立と謀略が渦巻く「中世の残酷な現実」だった。
一族の証『宝剣』と、受け継がれる『紅珊瑚のネックレス』。
それは希望か、それとも呪いか。
冷酷な運命にあらがいながら、複雑に絡み合う人間模様。
苦難を後超えるのに、魔法も、特殊能力もない、転生もない。
歴史や運命に翻弄されながらも、自らの力量で生き抜いていく。
そこにあるのは、過酷な時代を泥を這って生き抜いた人間たちの、剥き出しの鼓動だけ。
【三世代、百年の旅路】
◆第一部:エレノア編(15世紀中葉・欧州)
嫁いだ先は陰謀渦巻く中小都市国家。教皇派と皇帝派の争い、飢饉、疫病。時代の荒波に翻弄されながらも、自分を信じ、強く生きた一人の女性の記録。
◆第二部:ジュリオ編(15世紀末~16世紀初頭・地中海)
エレノアの子孫ジュリオが『宝剣』の謎を追う。ヴェネツィアの貴婦人カテリーナとの出会い。カトリックとイスラムの対立の中、人々は己の価値を求め、戦火を駆ける。
◆第三部:伊都(いと)編(16世紀・戦国日本)
海を越え、東の果ての島国へ。宣教師と共に来日したパオロは、キリシタン大名に仕える才女・伊都と出会う。言葉も宗教も異なる二人の邂逅が、一族の宿命を完結へと導く。
歴史の裂け目に落ちた者たちの、100年の旅路がいま、戦国日本で完結する。