【私のことは、もう忘れて下さい】
銀髪に緑の瞳が美しい公女、サフィニア・エストマン。
母がメイドだった為、冷遇され続けた彼女に、突然父親から婚約の命令が下る。
相手は伯爵家の三男――それは、家から追い出すための婚約だった。
それでも彼に恋をした。
侍女であり幼馴染のヘスティアを連れて交流を重ねるうち、サフィニアは気づいてしまう。
婚約者の瞳が向いていたのは、ヘスティアだった。
絶望するサフィニア。だが、二人は大切な存在。
自分さえ、いなくなれば2人は結ばれることが出来る。
だから消えることを選んだ。
偽装死を遂げ、名も身分も捨ててサフィニアは旅立った――