ディは孤児院育ちのお陰で、平民でありながら魔力測定が受けられた。そこで魔力の発現が認められたので、自分の人生が不幸だとは一度も思ったことは無い。
なんと、バルウィン王国のレイ王太子付の御庭番に抜擢されてもいるのだ。
そんな今回のディに課せられた任務は、王立学園にご入学された殿下の為に、殿下に群がる男子生徒や妃候補リストに載る女生徒達の身上調査をし、殿下の日常と未来を保守せよというものだ。
だがしかし、殿下の親友でディの昔馴染みの男、伯爵家嫡男で学園の憧れの君であるジェット・オブシディアが、ディを見つけるや絡んでくるのだ。
そんな気さくな×親切〇付きまといは、学園でディが悪目立ちして嫌われるだけで、周囲に溶け込んで情報収集したいディには有難迷惑だ。すっごい邪魔だ。
「殿下ー!!あいつのせいで隠密行動できません!!」