社会人二年目。過労。休暇・昇給ゼロ。
そして――父の治療費も尽きた。
父の工場は大企業に吸収され、自身もその会社で設計職として働きながら、眠り続ける父の病室へ通う日々。
眞金鏡花は、限界を感じながら、それでも仕事をやめることも逃げることもできず、変わらない日々を過ごしていた。
ある日、夢で繰り返される呪文のような声に意識が遠のき、階段から落ちた鏡花は“異世界”へと召喚される。
目の前で勇者として旅立っていく、高校生たち。だが、同じく召喚された鏡花は、勇者でも聖女でもなかった。
召喚により与えられたのは、「スキル」という、感情に応じて発動する力。
そして、鏡花が手にしたのは、他人も自分も焼く【嫉妬】の炎と、自身の感覚を失ってできる【無感動】の防壁だった。
【大罪】スキルは縁起が悪いと閉じ込められた鏡花は、仲間と共に、勇者たちより先に魔王討伐を目指すことになる。
※本作は「カクヨム」にも同一タイトルで投稿しております。内容は同一です。