この国の第三王子であるセラファンは幼い頃に呪いを受け、他者に触れることが出来なくなってしまった。そのため唯一彼に触れることができた侍女のミリアと共に幽閉同然のふたり暮らしを送っている。
ミリアは数年前に亡くなった愛する弟とセラファンの姿を重ね、幼い王子をとても可愛がっていた。王子の面倒をみることで、母と弟の死という悲しみを乗り越えられたのだ。
そんな中、セラファンの呪いが弱まってきたことで焦った犯人が再び動き出す。仕掛けられた攻撃からセラファンを庇い、今度はミリアが呪われ石化してしまったのだ。
──それから十七年。眠りから目覚めたミリアの前に現れたのは、十一歳の少年の姿から二十八歳の立派な大人に成長したセラファンであった。
「全部、僕が責任を取るから」
過去の経験からミリアが傷付くことを恐れ執着に近い想いを抱くセラファンと、身分差や障害に悩みつつも傷付いた王子を丸ごと受け止める愛情深いミリアの年齢差逆転ストーリー。