「母様に代わり、慈悲深き裁きの光を――」
その者、名をイクラウス。
齢1日目にして喋り始める。
齢2日目にして授乳を拒否。
齢10日目にして本を読み。
齢13日目にして聖魔法を使いこなした。
あまつさえ、聖女には使えないはずの闇魔法やその他の魔法を使い、しまいには自分の細胞を操作して分身を作ったり細胞を他者に送り込み始める。
母親である聖女の『すごいね、奇跡だね♪』という御言葉によって無理やりごまかし続け、世界に2人しかいない聖魔法の使い手として人々に奇跡と戸惑いと愛嬌を振りまいていく。
見た目は子ども、年齢は0歳。頭の中はぎりぎり大人。
イクラウスは今日も母親と人々のために奇跡を起こす。
「世界一偉大で史上最もかわいい母様に代わり、人々に慈悲を施しましょう」