1970年、高木惣吉は海軍兵学校時代以来の親友で、今はフランスに住んでいる野村雄を訪ねていました。
 有能な海兵隊の軍人として名を馳せた野村雄は、高木惣吉からすれば、底の知れない親友でした。
 実は野村雄は、自身の記憶の中では3回目の人生を歩んでおり、最初の人生をやり直し、少しでも良い人生を掴もうと努力をしていたのです。
 更に他の人、かつて情を交わして子を生した4人の女性から聞かされた自分の別の2つの最初の人生を知ってもおり、それらと自分の今の人生を比較し、子どもらのことに想いを馳せてもいました。
 でも、そんなことを幾ら親友に話しても、理解できる筈がありません。
 ですが、久々に会ったことから、例え話として、野村雄はそれを親友の高木惣吉に話すことになり、高木惣吉はそれを聞いて、色々と考え、会話を交わすことになります。
(尚、異世界転生、異世界転移は念のために付けています)