幼少期、魔族であるステラは牢獄の中にいた。
ステラの種族は体内で魔鉄を錬成できる希少な種族だった。泥沼化する戦争の最中に魔剣の材料として人間に虐殺された。最後の生き残りであるステラもまた、同じ運命を辿るはずだった。
そこから救い出してくれたのは冒険者だった。
ステラは三人の仲間を家族のように慕った。そして、突如としてダンジョンが生み出した大厄災から世界を救い、英雄パーティーの一員として讃えられた。しかし、その直後に再び起きた人間同士の戦争によって大切な仲間が全員殺されてしまう。
人間を信じられなくなったステラは人里離れた魔物が跋扈する森でひっそり暮らすことにした。
10年後、そんなステラの元に白く美しいドラゴンが舞い降りた。
ステラは人間が嫌いだったけど、人間が好きだというドラゴンが嫌いになれなかった。そんなステラに対して、ステラの過去を知ったうえで一緒に冒険に出掛けようとドラゴンは誘った。
再びステラの存在が世に出る時、止まっていた物語が動き出す。スキルにまつわる数奇な運命の旅が今始まる。