『転生したらやりたいことリスト』には、五十三の夢がある。
かっこいい二つ名。仮面の冒険者。秘密の隠れ里。
そんな憧れを抱いて異世界に生まれたティオは、貧民街の三歳の孤児だった。使えるのは土魔法だけ。毎日鍛えても、魔力はお茶わん一杯ぶんから増えない。
それなら、量ではなく使い方だ。
泥をこね続けた手は、やがて砂つぶ一つまで正確に動かせるようになっていた。
雨漏りを直し、仲間と芋を分け、捨てられた獣人の少女と夢を話す。やがて魔導学園へ進んだティオは、昼は目立たず過ごしたい学生、休みの日は仮面の冒険者として、憧れを一つずつ形にしていく。
腕を失った剣士。石の声を聞くドワーフの鍛冶師。
出会った仲間には、ティオにできないことができる。それぞれの腕と知恵を持ち寄れば、土魔法で作れるものも、守れるものも増えていく。
そして、森の奥の谷に、小さな秘密基地ができた。
人が集まり、仕事が生まれ、帰りを待つ声が増えていく。
かっこよく影に潜みたい。できれば、少しは気づいてほしい。
そんな少年が夢見た隠れ里は、いつしか、みんなの帰る場所になっていく。
――幼少期から学園生活と冒険を経て、仲間と里を育てていく成長ファンタジー。