恋愛は非効率だと考える公爵令嬢、セレスティナ・ラディア。
前世の記憶を持ち、薬草や食の研究に没頭する彼女は、社交にも恋にも興味を示さず、ただ自分の興味に従って生きていた。
そんな彼女が仕方なく出席したのは、若き皇帝レオニス・ヴァルカの婚約者選定のためのお茶会。
しかしその最中、女たちの駆け引きに嫌気が差した皇帝は会場を抜け出し、庭園の奥で一人の令嬢と出会う。
植物を採取し、葉を口にしては「この調理法なら」と呟く、不思議な少女。
その瞬間、レオニスは初めて、理性では説明できない感情を抱いた。
だが当の本人は、皇帝に対しても全く興味を示さない。
距離を詰めても動じない。
触れても、何も変わらない。
「なぜお前は、平然としている」
合理で生きる令嬢と、感情に揺れる皇帝。
そして、長年そばにいた幼馴染と、彼女を理解する他国の王子。
それぞれの想いが交錯する中、セレスティナは何を選ぶのか――。
これは、“恋を必要としない令嬢”が、誰かの特別になっていく物語。