猫を救って命を落とした料理好きの青年・正は、戦国の宇治に「茶太郎」として転生した。
まだ三歳。されど茶太郎には、霊の気配を感じ取り、料理に不思議な力を宿す才能があった。
弱った黒猫を救うために作った、初めての一皿。
その優しい味が土地神を目覚めさせ、荒ぶる水霊を鎮め、人と妖しの縁を結んでいく。
茶畑の秘密基地、宇治川の水神、巨椋池の河童、そして忘れられた古い霊具――。
小さな出会いと料理を重ねるたび、茶太郎の力は育ち、宇治の地にも新たな流れが生まれていく。
やがてその一皿は、乱世を生きる人々を癒やし、天下の行方さえ動かすことになる。
これは、猫と料理を愛する幼子が、霊と人を結びながら成長していく物語。
――料理で天下を取る、茶太郎の旅が始まる。