力者(りきしゃ)、力ある者。それは時として魔法使い、時として術師、そして能力者と呼ばれる特別な力を持った者達の総称。
その中には他者を助け、守る者と他者を傷つけ、滅ぼす者がいる。この特別な力は果たしてなんのために存在し、使われるのか、それを知る者はどこにもいない……。
西暦二千五十年。東京中央区にある公立高校、月桜(つきざくら)高校2年生になる天地龍助(あまちりゅうすけ)。
普通の高校生活を送っている彼にはある能力と魔眼が備わっている。
それは、身体能力を上げる「肉体の力」と万物の弱点を見ることが出来る「鮮血の魔眼」だ。
どこにでもいる高校生だった彼は、いつもの日常を送っていた中で、通り魔事件に遭遇してしまう。
一命はとりとめたが、その日からこれらの能力に開花してしまう。
突然のことに混乱する龍助の元に一人の力者と名乗る男、七坂京(しちさかけい)が現れ、彼との出会いによって平和だった日常が狂い始める。
彼が所属している力者集団「TPB」に入ることになり、力の使い方を学んでいたが、感情に左右されやすい性格が災いして、なかなか力を使いこなせないままついには力者の致命傷である暴走にまでなってしまう。
更には修行を積み重ね、自分の力と向き合う龍助だが、度重なる事件にも巻き込まれていってしまう。
中でも、TPBが壊滅を目的に追っている組織「TBB」と万物の感情が形になった人ならざる者、化身との戦いに明け暮れる毎日。
戦いを重ねていく中、龍助の力の秘密が徐々に解き明かされていき、更なる難題が降りかかってくるが、繋いできた縁によって救われる。
自分の力の存在意義がなんなのか、苦悩する毎日を送りながらも、大切なものを守るためという思いで切り抜けていく。
そして、計り知れない宿命を背負った龍助は自分の意思と力を信じて前へと進んでいく。
たとえたどり着く先が楽園の最果てであろうと、奈落の底であろうと。
これは自分の力を行使し、大切なものを守るために戦う、宿命を背負った力者達の物語。