ブラック企業で燃え尽きた三十五歳のシステムエンジニア・天宮大和は、
過労死の瞬間に、優しい声を聞いた。
――『調停者の器、適合。もう一度、生を与えましょう』
目を覚ますと、そこは教会前
黒髪黒目の女の赤ん坊として転生し
孤児院で「山本シエル」と名付けられ、前世の記憶もないまま平穏に育っていく
だが、中学三年の卒業式の日、孤児院の裏庭での理不尽な事件をきっかけに**「天使としての本性」**が覚醒してしまう
さらに判明するのは――
彼女が、世界と異界の均衡を司る**“調停者”**だということ。
……とはいえ、本人の願いはただ一つ
「もう頑張りたくない
今度の人生は、できるだけ努力せず“普通に楽しく”生きたい……!」
孤児院で居場所を失ったシエルは家出し、導かれるように辿り着いた先は、なんと前世・天宮大和の実家。
中身が大和だとは知らないまま、元の両親・妹・姪たちに温かく迎えられ、天宮家の養子として第二の家族生活が始まる。