クラスごと異世界に召喚された九条奏真は、地味な固有スキル《奪還の王》しか持たない“ハズレ”として、勇者パーティで雑用を押しつけられていた。
だが実際は、罠の解除も結界の解析もダンジョン攻略も、すべて奏真がいなければ成り立たなかった。それでも功績は勇者のものとなり、奏真はただ使われるだけの存在として扱われる。
やがて王国と教会、そして信じていた仲間たちは、禁忌スキルを恐れた末に奏真を処分。
ダンジョン最深部で裏切られ、奈落へ突き落とされた彼は、そこで《奪還の王》の本当の力に目覚める。
それは――不当に奪われたものを、本来の持ち主へ取り戻す力。
奪われた力。
奪われた居場所。
奪われた信頼。
そして、奪われた未来。
奈落の底で最強となった少年は、新たな仲間とともに地上へ帰還する。
今度はもう、何も奪わせない。
これは、すべてを奪われた少年が、全部を奪い返すまでの物語。