四十歳の会社員、竜咲空は、目覚めると体高十メートル、全長三十五メートルの巨大ドラゴンになっていた。
山奥で孤高の古龍生活……は三分で無理だった。
人の気配が恋しくなった空は、城壁都市レグナのそばへ飛んでいく。
だが街から見れば、突然現れた災害級ドラゴンである。
警鐘は鳴り、弓兵は並び、討伐寸前。
そんな中、空が口にした願いはただ一つだった。
「街を襲いたいんじゃなくて、近くに住みたいだけなんだけど!?」
これは、世界を滅ぼせるかもしれない古龍が、火気厳禁、寝返り申請、鼻息の向き指定を守りながら、住民票を得るまでの異世界ご近所ファンタジー。
優しさだけでは受け入れられない。
でも、危険だからと切り捨てるには、あまりにも人間くさい。
城壁横に住みついた黒銀の古龍さんと、胃を削られる行政補佐官、冷静すぎる子爵、たくましい街の人々による、少しおかしな仮住民生活が始まる。