真田龍也・五五歳。
大衆居酒屋で二十年以上勤めてきたが、店の閉店と共に会社都合で退職。
年齢を理由に再就職は難しく、妻には煙たがられ、自室に籠もってパソコンで求人を探す日々を送っていた。
ある日目にしたのは、怪しげな求人広告。
「在宅OK、空いた時間で高収入、成果報酬+アルファ」
軽い気持ちで応募し、届いたメールのリンクをクリックすると――
なんと身体ごと画面に吸い込まれ、気が付けば謎の小屋の中にいた。
迎えに現れた背広姿の男から説明を受ける。
ここは「現実と仮想の中間空間」であり、従業員の仕事は
モンスター討伐や情報の収集。
討伐ごとに報酬が支払われ、現実の口座に反映される仕組みだという。
こうして龍也の“モンスター討伐アルバイト生活”が幕を開けた――。