「貴様の『クリーン』など、メイドでも使える生活魔法だ。無能な掃除女は出て行け!」
聖女リリアは、婚約者のエリオット王子によって国を追放される。
彼女が毎日、城を覆う「瘴気」を「掃除」で浄化していたとも知らずに……。
行き着いた先は、猛毒と呪いが渦巻く「魔王城」。
だが、世界が恐れる呪いの正体は、リリアに言わせればただの「放置された汚れ」だった!
「数百年ものの怨念?
いえ、これはただの黒カビです。ホーリー・ハイターで一撃ですね」
伝説の神器をハタキにし、魔王のマントを足踏み洗濯。
リリアが磨くたび、魔王城は聖域よりも輝き、屈強な魔族たちは掃除の快感に目覚めていく。
一方、リリアを失った聖王国はカビと異臭に埋もれ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……もう遅い。
「断る。リリアは私の妻(予定)だ。……それ以上近づくと、塵一つ残さず消去(クリーニング)するぞ」
不器用で過保護な魔王様に囲い込まれ、お掃除聖女は今日も世界の寿命(シミ)すらもピカピカに磨き上げる!