大学2年生の相馬悠真は、学費と生活費を稼ぐため、空いた時間を見つけては単発バイトに明け暮れていた。
倉庫の仕分け、引越し、イベント警備、飲食店――。
そんなある金曜日の夜。
バイトを終えて帰宅した悠真の部屋に、見覚えのない扉が現れる。
扉の先に広がっていたのは、剣と魔法、魔物と冒険者が存在する異世界だった。
行くあても金もない悠真は冒険者ギルドへ登録し、最低ランクのFランク冒険者として活動を始める。
そこで判明したのは、悠真が持つ奇妙な能力。
《運搬
Lv1》
《仕分け
Lv1》
それは、現実世界で経験した単発バイトの技能が、異世界では“スキル”として発現するというものだった。
倉庫作業をすれば《運搬》《仕分け》。
警備をすれば《警戒》。
引越しをすれば――?
しかも、経験する仕事が増えるほど、使えるスキルも増えていく。
平日は大学に通いながら、生活費を稼ぐために単発バイト。
そして週末になると、その経験を武器に異世界で冒険者として依頼をこなす。
ただし、そこはゲームではない。
異世界で死ねば、現実の悠真も死ぬ。
金も、武器も、魔法も、2つの世界を越えて持ち帰ることはできない。
持ち込めるのは、自分自身と、それまで積み重ねてきた“経験”だけ。
これは、特別な才能もなかった1人の苦学生が、数え切れない仕事の経験を力に変え、Fランクから少しずつ成り上がっていく物語。
――今週は、どのバイトを入れようか。