10年間、就活お祈りされ続け、コンビニバイトを1日でクビになり――
粘土をこねるのが心の癒しだったアラフォーの僕は
スキルも戦闘能力もないまま、異世界に“若返り転生”。
しかも、どうやら訳ありの「二重転生」。
異世界スローライフのために空き家を買ったも――が、借金はまさかの10億スタート。
「そうだ、コンビニ風雑貨屋をやろう」
……転生前、10か月で潰れた自営業と、10年間落ち続けた就活の日々を思い出す。“ホワイト企業の経営者になる”――その一途すぎる夢だけは、なぜか心に残っていた。異世界でなら、叶えられるかもしれない。
良質な粘土を見つけて、スローライフを目指してコンビニ風雑貨屋を始めたけれど――
集まってくる仲間は、なぜかポンコツだらけ……。
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昼は強制的に寝てしまう月の土人形少女(元ハニワ、夜勤担当)
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体力不足のパン屋のゴーレムと、兄に魂を定着させた人見知りな妹(戦闘中は博多女子もどき)
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高身長を気にする推し活ピクシー(夜行性、夜勤担当)
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暗闇が怖いフォレストミニドラゴン(ドラゴンだけど火は吹けない)
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普段は聖女、戦いになると男勝りになるデビルウンディーネ
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柔らかくなりたい固く四角いスライム
……こんなメンバーで雑貨屋経営できるのか!?
どうにかなるだろうと看板を掲げたとき、運悪く魔王モールに目を付けられる。
魔王モール――魔王が展開する超巨大ショッピングモール帝国。最新マーケティング経営魔法を用い、人間の生活に憧れ転生した動物たちを酷使する最強の経営軍団。
奴らが使ってくるのは――最新経営魔法と、科学的マーケティング(ただし解釈はだいぶズレている)。
対するこちらは、古代魔法と、粘土と、雑貨。
頼れるのは、ネットで仕入れていたうろ覚えの経営理論と、ポンコツチームのか細い絆、自己肯定感の低い情熱。
スローライフ雑貨屋経営のはずが「究極の雑貨屋はコンビニかショッピングモールか」という真理を追求する、異世界経済を巻き込む壮絶な対立に……!?
どうしてこうなった……ああ、粘土をこねたいだけなのに。理想の職場は、異世界でもそう簡単には作れない。
――これは、10億借金の雑貨屋と、経営魔法で攻めてくる魔王モールとの、経営バトルコメディ。