幼い頃に竜人の王族の番として保護されたヒト族の少女フィオナ。番の命令により他人と関わらず、塔からも出ずに不自由な暮らしを強いられていた。しかし前世で信頼する人に裏切られ処刑された記憶があるフィオナは、不満を口にもできなかった。
そんな彼女の悩みは、前世であれほど愛していた番に対して、今世では恋心が抱けないことだ。
そんなある日、フィオナを殺すために敵国軍人ルイが塔を襲撃しにきたが、フィオナは彼を見た瞬間、恋に落ちてしまった。フィオナを利用しようと騙し外に連れ出したルイも、そんな彼女に徐々に絆され始め――。
竜の番として育てられた少女が、竜を憎む青年に、苛烈に恋する物語。