遥か未来、とある星系。全長50キロ四方の巨大な移民船は、すでに数十万年前に役目を終え、深い宇宙を漂っていた。数百万の人々は新たな星を見つけて移住し、推進機関を破損したこの船は廃棄されたのだ。しかし、推進機関が使えなくなっても、船はAIとロボットにより自律制御され、宇宙を漂いながら、鉱物の収集や他文明の宇宙船の残骸回収を続けていた。
そんなある日、移民船が恒星への衝突経路に入ったとき、船のAIは人類消滅の危機と判断し、種族保存プログラムが起動した。それは、遺伝子バンクに保存された情報に基づき、移民船を作った文明の生命を人工的に作り出し、滅びゆく種族を守ることを目的としたものだ。長きにわたる漂流の中で、多くの機能が停止していたため、生み出された生命はたった一人。人類でいえば25歳の年齢の男性だった。
AIによって生成された彼の名はクラフト。彼は生まれながらにして、高度な知性と並外れた身体能力を与えられていた。同時に彼は、この広大な宇宙を一人で生き抜かなければならない。
これは、クラフトが未知の星系を旅し、予測不能なトラブルに巻き込まれながらも、壮大な冒険を繰り広げる物語である。彼の旅の果てに、人類の存続を見るのか、それとも、別の何かを見つけるのだろうか。