家計の崩壊をきっかけに、踏み入れるつもりのなかった夜の世界へ。
流れ着いた先は、華やかで浮世離れした街、歌舞伎町。
けれどそこは、ただ煌びやかなだけの場所ではなかった。
働く人も、遊びに来る人も、皆それぞれに事情を抱え、支え合い、ときには裏切られながら生きている。
悲喜交々の人間模様の中で見えてくるのは、取り繕った笑顔の奥にある、本当の姿。
担当を支えるという行為によって、いつしか自分自身も支えられている。
誰かに必要とされたい気持ちと、誰かを必要としてしまう弱さが交差する夜の街で、人はひとりでは立っていられない。
忘れることのできない、歌舞伎町で過ごした濃密な五年間。
これは、夜の街で出会った人々の痛みとぬくもりを描く物語。