大聖堂で婚約者に「偽聖女」と断罪された瞬間、私は悟った。この世界の鑑定魔法は千年前から壊れている。
E級と判定された私の本当の力は、SSS級『万象錬成術』。物質も法則も作り変える、創世の権能。過労死した私への、異世界からの最大の贈り物。
魔獣の森への追放は、運命の始まりだった。
そこで待っていたのは、私と同じ「捨てられた者たち」。奴隷に堕ちた前世の魔王、裏切られた獣人姉妹、無能と蔑まれた聖騎士と僧侶。しかし誰もが、世界を覆す力を秘めていた。
荒野に街を築いて十日。帝国を宣言して百日。エーテル鋼が生まれて一年。
気付けば、大陸の勢力図は塗り替わっていた。
かつて私を捨てた王国が崩壊し、元婚約者が土下座で許しを請う日、玉座から告げる言葉は決まっていた。
「今更、もう遅い」
追放された全ての者たちへ贈る、究極の逆転劇。
偽物と呼ばれた私が、世界を支配する物語。