精霊達の忘れ物
精霊と人間が共に生きる世界。
火を灯し、風を運び、水を操る精霊の力を借りることで、人々は繁栄してきた。
その中でも、精霊と契約し強大な力を扱う者たちは――精霊術師と呼ばれている。
精霊術師は、人々を守る英雄。
誰もが憧れる存在だった。
しかし、アルトには精霊術師になる資格がなかった。
なぜなら彼は――精霊に嫌われている。
近づけば逃げられる。
声をかければ怯えられる。
精霊を愛しているのに、精霊からは決して受け入れられない青年。
それでもアルトは諦めなかった。
精霊が好きだから。
まだ知らない世界を、自分の目で見てみたいから。
閉ざされた場所で育った青年は、精霊国家ガイストを目指して旅に出る。
そこで出会うのは、精霊に選ばれた才能ある精霊術師たち。
自分とは正反対の仲間たちと共に過ごす中で、アルトは少しずつ世界を知っていく。
精霊を道具として扱う国。
英雄の国
そして、歴史の中から消された存在。
やがて明らかになる。
なぜ精霊たちはアルトを恐れるのか。
なぜ彼だけが、精霊と契約できないのか。
その答えは、遠い昔に失われた精霊と人間の因縁に隠されていた。
精霊に選ばれなかった青年が、
最後には世界で最も精霊に近い存在になる。
これは、忘れられた精霊達と一人の青年が紡ぐ物語。