初生雛鑑別師(ひよこ鑑別師)を天職と思い過ごしていた古賀陽太は、ある日突然、見知らぬ世界へと飛ばされてしまった。
そこは巨大な『神鳥』ハルシーピという獣を使役する者たちが空を渡って生きる世界だった。
「おまえ、だれだ? どうしてここに居る?」
右も左もわからない陽太を捕らえたのは、翼騎兵隊の青年タルク。
そしてタルクの背後には、グラという名のハルシーピ。
帰る方法も、ここへ来た理由も、わからない。けれど陽太にはひとつだけ、この世界で確かに役立つ技術があった。
生まれたばかりのひよこのオスとメスを見分ける『鑑別』技術だ。
ハルシーピの雛の性別を正確に判別できる者が、この世界にはいない――よって、その技術は国家をも揺るがす貴重な技術だった。
「僕は、鑑別師です」
空を飛べない陽太が、地に足をつけて、神鳥たちの世界を歩いていく。