魔力が充溢する土壌に建国されたシヴェルナ王国の民は皆、魔力をもって生まれるという。
しかし元子爵令嬢ロゼ・アルバートは魔力を持たない体質で、『進化しそこねた落ちこぼれ=セロ』と呼ばれ虐げられていた。
そんなロゼの夢は、父から倣った剣術でお姫様を守る騎士になる事だった。
しかし両親が亡くなった後、引き取られた親族の元で魔物討伐をさせられる日々を送っていた。
ある日、魔物に襲われている所を王立騎士団団長キアノス・ヴランディ公爵に救われる。
実はキアノスも幼い頃、ロゼの父から剣を倣っていた一人だった。その予想外の接点から、ロゼは劣悪な環境から救出される事になった。
だが問題はまだあった。両親が亡くなってから年数が経っている為、爵位は停止状態に。このままでは子爵と名乗れずアルバート家は没落する事になる。
そこでキアノスはロゼに騎士団への入団を勧め、子爵位を復活させる事を提案する。
騎士として功績を上げれば、自分の居場所、存在価値を見つけられるのだ。ロゼは迷う事なく志願し、キアノスの部下になることを決意する。そして二人は改めて上司と部下の関係になったのだった。
ただそれだけだと思っていたのに、その後は何故かキアノスから一目置かれ寵愛される様に。それは庇護欲なのか、はたまた……。
部下としても、令嬢としても大切にされる日々に戸惑いながらも、ロゼは騎士の道へと突き進む。
全ては公爵閣下を守れる騎士になる為に。
そしていつか、魔法使い達をも翻弄させる最強の騎士になる為に――。
※中身はざまぁ×シンデレラストーリーです。
ジャンルは『恋愛』ですが、アクションシーンも多めの作品になっております。