香田龍也(こうだたつや)はこの春から高校1年になる。
上には大学3年の姉と同じ高校の3年の兄、中学2年の妹がいる。
姉と兄は天才であり、妹もまた運動神経が抜群で数々の賞をもらっている。
けど、龍也だけは何もない。言わば平凡。
ついたあだ名は「香田家のハズレ」。
近所の人や中学の同級生には馬鹿にされてきた。
何度も言い返したりはしたが、自分だけ何も取り柄がないことは時間が経つと同時に自覚が出てくる。
兄弟姉妹に釣り合うように頑張って努力はするが、家族にさえ認めてもらえなかった結果、
期待することも努力をすることも諦めてしまった。
そんな俺に興味を持ったのは学年で1番クールと言われる瀬戸川涼花(せとがわすずか)。入学して2カ月の間に7回告白をされているが、
「無理です」
「私は彼氏が欲しくないので」
と全部振ったことからついたあだ名は「難攻不落の女王」。
そんな彼女がなぜ俺に興味を持ったのかそれは彼女が俺と同じだという。
どういうことか?彼女ほど優れている女性が道端の蟻みたいな俺と一緒なわけないだろう。
これは、努力することも期待することも諦めた男が1人の女性によって変わっていく物語が今始まる!!
「もしかして・・・あなたはMなのかしら?」
「俺は断じてMじゃない!?」
・・・本当に始まるか?