婚約者も、侯爵家で積み上げてきた功績も、妹に奪われたエレノア。
さらに、北辺へ送る物資の不正に気づいたことで、父に厄介払いされるように遠い北の公爵家へ嫁がされることになる。
夫となるのは、血塗れ公爵と恐れられるヴィクトル・ノルデンフェルト。
「私はお前を愛さない」
初対面でそう告げられ、使用人たちにも歓迎されないエレノア。
王都で悪評を流された、婚約者に捨てられた令嬢に、北辺で居場所などあるはずがなかった。
それでも彼女は、凍える屋敷の中で誰にも拾われなかった綻びを見つけ、少しずつ人々の視線を変えていく。
冷たいはずの公爵もまた、彼女の行動と言葉から目を離せなくなっていき――。
一方、王都ではエレノアを追い出した侯爵家の不正が明るみに出ようとしていた。