「聖女は妹フィオナ」――その常識は、王宮大聖堂の公開認定式で崩れる。穢れを吸う器として拘束され、祝福を家の紋章へ吸い上げられてきた長女セレスティナに、聖遺物が反応し聖痕が刻まれたのだ。家族は『危険』と叫び回収を図るが、式典警護の騎士団長ルシアンが鍵を奪い、彼女の名を呼んで守る。だが確定前の今夜、神殿は手続き上誰の手でも届く。迎えが迫る回廊で、剣を抜けない規則と巻き添えの恐怖に追い詰められながら、セレスティナは初めて助けるを選び祝福を他者へ流す。翌日の公開審問、彼女は祝福の契約先を施療院と国庫へ切り替え、伯爵家への供給を正式撤回。領民には三日分の恵み雨だけ残し毒家族だけを断つ――壇上で砕ける紋章石、爵位停止。檻ではなく隣を差し出すルシアンと、選び直した人生で溺愛が始まる。けれど逆転の代償として王宮と神殿は権力争いを始め、彼は静かに言う――『選ぶのは君だ。俺は隣にいる』。
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