仕事で鬱になり、体調を壊した田中健三(34)。
退職後も何もやる気が起きずに、酒におぼれ──そして、酒にまみれて死んだ。
そんな健三は、ふと気づくと、真っ白な世界にいた。
そこで出会ったのは中世的な顔の人物。
彼?は転生神を名乗り、不意に死んだ健三を哀れみ、異世界に転生させてくれるというのだがぶっちゃけ面倒くさい。
「やる気ないから死んだんす、もういいっす──無理なら記憶を消してミジンコあたりに転生させて」
「いや、ウチは輪廻転生はあつかってないんで」
そうしてあっさりと異世界送りにされた田中健三。
しぶしぶ異世界を旅することにしたのだが、道中知り合う個性的な人々を触れ合ううちに、徐々にやる気を取り戻していく。
これは、アル中で死んだ男がアルコールで人生をやり直す物語──。