六歳の時、黒猫の少女クロは故郷を失った。
避難した教会の石壁を砕いた巨大なオーガ。
死を覚悟したクロの前に現れたのは、朝日を背負う純白の竜と、それを駆る竜騎士だった。
あの日救われた自分も、いつか誰かを救う側になりたい。
その思いを胸に、クロは竜騎士を目指す。
開墾地で働きながら竜種の文献を読み、小さき竜の末裔を観察し、誰にも聞こえない竜の聲へ少しずつ近づいていく。
やがて彼女は王都へ向かい、生涯の相棒となるワイバーン、アテルと出会う。
最初は小さな信頼から。
やがて名を呼び、聲に耳を澄ませ、互いの背を預ける絆を育んでいく。
これは、黒猫の少女クロが、生涯の相棒アテルと共に空へ至るまでの物語。