井神凉と三人の女子は、いつも四人で行動している。
登校も、放課後も、休日も。誰も欠けず、同じ距離で並び続ける。
恋人なのか、友達なのか。
周囲は境界線を探そうとするが、四人はそれを引かない。
説明できない関係であることを、あえて言葉にせず、壊さず、ただ続けてきた。
だが季節が進み、進路や家族、将来という現実が、少しずつ彼らに選択を求め始める。
同じままでいることと、それぞれの人生を進むことは、両立できるのか。
守ろうとしてきた距離は、本当に四人をつなぐものだったのか。
変わらないことを前提に築かれた関係は、やがて「変わらないままではいられない」現実に触れていく。
これは、名前を持たない関係を守り続けてきた四人が、
それでも共に在ることを選べるのかを問われる――
静かな均衡と、その揺らぎを描く物語。
――四人を繋ぐのは純粋な絆か。それとも、一人の少年の願望か。
※カクヨム同時掲載