わたしのギフトは「絵に描いた小動物を呼び出す」だけ。
戦えないし、地味だし、ギルドでも落ちこぼれ扱い。誰からも期待されず、仲間たちの隅っこで、こっそり依頼をこなす毎日だった。
でもある日、アニマ(絵から出た動物たち)が、まるで意思を持つかのように勝手に動きはじめた。
鍵を拾い、敵を避け、わたしを導くその姿は、ただの“道具”なんかじゃない――まるで本当に“生きている”みたいだった。
そんな中、辺境の村で不気味な異変が起きる。人知れず世界を蝕む「黒ずみ」の兆し。
無視できずに調査へ向かったわたしと仲間たちは、そこで“過去の封印”の残響に触れてしまう。
これは、神から授かった力――ギフトの意味を問い直す旅。
誰にも期待されなかった小さな絵描きが、「もうひとつの力」と向き合いながら、世界の秘密へと踏み込んでいく物語。