わずか12歳にして、魔導大学府を卒業した天才シェイラ。
修養期間を経て18になったシェイラが、師から命じられたのは──魔法学校の「相談役」。
落ち着かない行動で魔法を暴発させる名門一族の男の子。
呪文必須の闇魔術使いなのに喋らない娘。
空気が読めなくて精霊と交流できない孤児院あがりの公子。
彼らに共通するのは、「魔法が使えない」「使いこなせない」という生きづらさ。
そして、最後に突きつけられた相談は──魔法が使えない王子、だった。
かつて自らも魔法を持たなかったシェイラは、他者を拒み、心を閉ざした王子の姿に、過去の自分を重ねていく。
相談役として向き合うはずだった王子との距離は、いつしか少しずつ、確かに変わっていき──
魔導の〈霧〉あふれる大陸で、自らも魔法が使えなかった魔導師と、魔法が使えない王子、そして生きづらさを抱える子どもたちの物語は、やがてサージェシア大陸の国々を巻き込んでいく。
これは、誰かを「正す」のではなく、寄り添い、支えることを学びつづける物語。
※本作は、note創作大賞2025「ファンタジー部門入選(文春文庫推薦)」作品です。
※文学寄りのハイファンタジーとなるため、ネット小説ですが、出だしはゆっくりと進んでいきます。
※物語投稿サイトTALESにて連載最新話を投稿中(TALES総合日間、週間、月間1位達成、累計総合2位)。
https://tales.note.com/ruiqua/wjyzlo52ncsc6?ss=wslacddeq10gxx9