ある不具合が原因で、他人を遠ざけて生きなければならなかった主人公。友人なし、恋人なし、趣味もなければ夢もない彼は、ただ仕事に明け暮れるだけの孤独な人生を送っていた。
やがて病に倒れた彼は、死の淵で願う。「生まれ変わったらふつうになりたい。こんな寂しい人生はもう嫌だ」。――――そして次に目が覚めた時、彼は異世界で寝たきりの老人になっていた。
迫りくる災厄から世界を救うために召喚された救世主。それが主人公だった。しかし召喚時の不具合で、彼は救世主どころかなんの役にも立たない寝たきりの老人になってしまう。自力で起き上がることもままならない、余命わずかな老爺。そんな姿に転生して、彼は絶望……するどころか、満面の笑みでガッツポーズをした。「最高だ!神さまありがとう!」
――――これは寝たきりながらも人生を取り戻し、願いを叶えた男の物語。