世界は、ある日から静かに色を変え始めた。
それは誰もが気づくような劇的な変化ではない。
むしろ、見過ごされるほどに穏やかで、ゆっくりと、確実に侵食していく異変だった。
――赤、白、青、緑、黄、黒、金、紫、銀――
それぞれの色は、異なるかたちで世界に現れ、日常を崩していく。
だが、そこに明確な原因も、説明もない。
気づいたときには、もう戻れない。
気づかなければ、そのまま静かに飲み込まれる。
これは、色によって歪められた世界の断片を記録した物語。
確かだったものが、揺らぎ始める。
境界は曖昧になり、世界は静かに歪んでいく。
それでも日常は続いている。
それぞれの視点から描かれるのは、
異常と日常の境界が曖昧になった、その先にあるもの。
あなたの見ている世界は、
本当にいつも通りだと言い切れるのか?