西野和彦、17歳。趣味は読書と人間観察(主に背景として)。
僕の人生には、バグとしか思えない設定ミスがある。
それは、家が近所の「幼馴染」が、全員もれなく絶世の美少女だということだ。
天真爛漫なムードメーカー、羽賀杏菜。
冷静沈着な生徒会役員、一ノ瀬佳樹。
内気で守りたくなる文芸部後輩、柏木小鞠。
スポーツ万能で距離感ゼロな、和久井檸檬。
「和彦、ずっと一緒にいようね?」
そんな彼女たちの言葉を、僕は「幼馴染としての義務」だと信じて疑わなかった。
だって、こんなメインヒロイン級の4人が、僕みたいなモブキャラを本気で好きになるはずがない。
……そう思っていたのは、僕だけだったらしい。
17歳の夏。
均衡を保っていた5人の関係は、ある「賭け」をきっかけに崩壊を始める。
誰よりも早く、幼馴染という安全圏から抜け出し、僕の隣を勝ち取るのは誰か。
「ねえ和彦くん。……私、負けるつもりなんてないよ?」
友情という名の仮面を被り、全方位から詰め寄ってくる美少女たち。
逃げ場なし、平穏なし、勘違いするなと言い聞かせる心臓がもたない。
これは、最強の幼馴染4人に外堀を完全に埋め尽くされ、
「どうせ、恋でもなんでもしてしまうんだろうな」
と諦めるまでの、敗北決定ラブコメディ。