誰しもが子供の頃、怖くてたまらないものが一つや二つあったのでは無いでしょうか?登場人物の僕にとってそれは蜘蛛でした。夜、寝る度に夢の中に蜘蛛の群れが現れ、恐ろしさの余り汗びっしょりで飛び起きたことが何度有ることでしょう。それはもう恐怖の連続です。小さな子どもにとってのその経験は、僕の心と体を次第に蝕んでいき、何時しかガリガリに痩せ細ってしまいました。
姉や両親の心配の元、医者にも通うのですが恐ろしい夢から逃れることが出来ず、僕はいつも母さんとと一緒に寝なくてはならない始末。
ところがそんな苦しみの中、僕はふとしたことから神頼みという言葉があることを知りました。
そこで僕は近所の小さな小さな神社に向かったのですが、そこの小さな社で僕はと有る不思議な存在と巡り会います。そしてそれこそがその神社の御祭神の雨子様なのでした。
雨子様はまだ幼子だった僕のことを哀れに思い、その力を使って一瞬にして僕を悪夢から救って下さいました。お陰で無事悪夢から救われることになった僕なのですが、その時はそれ以上雨子様と関わること無く袂を分かってしまいます。
それから幾年か経ったときにふとした機会に僕は再び雨子様と巡り会うことになりました。でもその時の雨子様はその姿も薄く儚く、消えゆく直前でした。
聞けば雨子様はもう消えるとのこと。でも僕はそんな雨子様に消えて欲しくなくってとある契約を結びます。
さてその契約もあって雨子様は僕の家にやって来て、僕と一緒に生活するようになるのですが、神様と一緒に暮らして何も無い訳が無い。色々な怪に出会ったり付喪神に出会ったり、はたまたさる神社の大神に出会ったりもします。
なかなか息を飲むような展開なんて言うものは無かったりしますが、じんわりじわじわ普段の暮らしの中に神様の居ると言う生活をわちゃわちゃ楽しみながら、ちょっとだけ現実とは異なる日常を楽しんで頂けたら良いかな?そのように思って居ます。
後、書くことに励みになりますので、ご評価を頂いたり、ブックマークを付けて頂けたりするととてもありがたいです。
それともう一つ、女神様である雨子様が、少しずつ人間性に目覚め、一人の女の子として男の子と恋をしていく様も楽しんで頂けたら嬉しいです。
お終いに、
本作品には現実にある様々な名称が登場しますが、全て架空のお話しです。ご理解下さるようお願い致します。