「ねえ、僕のために居てくれないか」
幼い頃、悪夢に苦しんでいた僕を救ってくれたのは、小さな神社に祀られた雨の女神様だった。
だが再会した彼女は、信仰を失い、今にも消えようとしていた。
だから僕は彼女に手を差し伸べる。消えてほしくなかったから。独りにしたくなかったから。
こうして始まったのは、一柱の神様と、どこにでもいる少年の不思議な共同生活だった。
苺ジャムで幸せそうに笑う神様。
セーラー服で学校に通う神様。
プリンを巡って本気になる神様。
人間になりたい龍。
生き直したい幽霊。
心を知りたいロボット。
なぜか今日も、ちょっと変わった誰かが吉村家へやって来る。
そして温かいご飯を食べ、お茶を飲み、笑い、泣いて、少しずつ家族になっていく。
けれど世界の裏側では、神々の歴史が今も続いている。
二千万年を超える時の彼方。失われた大宝珠。宇宙を渡った神々。
消えた命と、癒えない喪失。
その果てにある真実へ、やがて僕たちは向き合うことになる。
失われたものは戻らない。別れはきっと避けられない。
それでも人は誰かを愛し、共に生きていく。
これは、神様と人間の恋物語。
これは、家族になる物語。
これは、帰る場所を見つける物語。
疲れたら、どうぞ吉村家の食卓へ。
そこには今日も、美味しいご飯と温かいお茶、それから「おかえり」が待っている。
【天露の神:妲己編】
物語を書き進めている内に、殺生石を取り扱うことになり、その伝説を調べていると、妲己という女性に行き当たった。
この妲己、調べれば調べるほどにその扱いが酷い!
更に調べるとそれが敵国のプロパガンダで有るとも言うじゃ無いか?
いくら何でもそれは余りにも気の毒と言う事で、名誉挽回汚名返上!
と言うことで書いたのが、このお話。かつての殷のことを色々調べながら書いた物の、全くのオリジナルです。有る意味・・・私の愛した誰も知らない妲己!
本編内の妲己編は、それだけでも独立して読めます。良かったら817話目からですので、読んでみて下さい。
なおこの妲己編だけはカクヨムに独立掲載しています。
お終いに、
本作品には現実にある様々な名称が登場しますが、全て架空のお話しです。ご理解下さるようお願い致します。