おっとりしていて、少し無頓着。
けれど、人の悪意や嘘だけは、お茶に浮いた茶柱よりも鮮明に見えてしまう令嬢、リディア・フォルクレア。
彼女の生家フォルクレア家では、嘘の染みを暴くことも、茶器の曇りを拭うことも、同じ“淑女のたしなみ”として教えられてきた。
王立アストリア貴族学院に入学したリディアは、歓迎茶会で一枚の席札が三度動かされたことに気づく。それは、格下の令嬢を静かに排斥するための、薄汚れた悪意だった。
「まあ。そんなところに汚れを隠して、恥ずかしくありませんの?」
悪意の染みを見つけ、無邪気に指をさすリディア。
その「天然の猛獣」を社交界の武器として利用せんと目論む、野心的で強かな親友クラリスが、校則・礼法・噂を使って完璧な処刑場を整える。
二人が並ぶお茶会では、今日も誰かの悪巧みが、跡形もなく「お掃除」されていく。
これは、貴族学院の歪んだ正義を、上品に、そして徹底的に、拭い去っていく令嬢バディの物語。
※本作はカクヨムにも掲載しています。